top of page

月日は流れる


 progress.2「set_」秋田公演を終えて一週間だが、今月下旬にはprogress.3「float_」のためにダンサー全員が岡山入りする。

 「set_」に関してなんだかんだと振り返ってみるものの、先からやってくる「float_」との狭間で奇妙にバランスが取れてしまっている。

 新たな過去となった一つの大きな出来事と、最前にさらに大きく控える未来との丁度中間点。それは物差しを指の上に乗せて支点を作り、そこでバランスを取った状態に非常に近く、流れる時間は水平を保ったまま、しんとしてピクリともしない。ただ、時間がこのまま水平方向に未来に向けて進んでゆくのであれば、物差しの支点と力点の関係は徐々に未来に向けて傾いてゆき、いずれバランスは崩壊する。指の上の物差しは音を立てて床に落っこちて、残された指は意味もなく虚空を指す。おそらく、その頃には「set_」公演のことなどすっかり忘れてしまっているのかも知れない。

 残るのは落ちた物差しの残響だけで、時間は傍若無人に無目的な移動を続けている。

 月は昇り、日は沈むという。

 そしてまた日が昇って、月は何処かへと姿をくらます。繰り返し。

 往々にして身体は通過してゆくものの経過を辿る。その時に主体として在るか、客体として在るかでその経過は大きく異なると言える。

 要するにヒトの身体感覚は未だ天動説のそれから脱していないのだ。

 
Featured Posts
Recent Posts
Search By Tags
Follow Us
  • Twitter Social Icon

Copyright © M-laboratory  Works-M and photographers all right reserved.

bottom of page